天文館マルヤガーデンズ近くの串揚げ専門店「串吉」。
パチン、ジュワー、創業時から使い続けてい17年物の油鍋から、澄み切った音。
創業20年以上のここ串吉には、串揚げファンはもちろん、食通が通う店。

メニューは「両手コース」2,500円とお茶漬け各種のみ。

この潔さが気持ち良い。

両手コースには、活きた車海老、いくらをトッピングしたサーモンなどの定番をはじめ、季節の食材がお任せで並ぶ。

細かなパン粉に包まれた食材は、本来の持ち味をちゃんと示してくれる。
素材に対する確かな目利き、料理に対する愛情がひしひしと伝わってくる。

澄み切った油・軽い衣と、串吉の串揚げは、とっても優しい仕上がり。
それゆえ、ついつい何本も追加したくなる。

食通に対しても自信をもって、
オススメできる店。

折の入ったシャツに、エプロン。
ピカピカに磨きあげた揚げ場に立つ姿から、
真面目で誠実なオーナーの人柄がうかがえる。

串吉のカウンター席はオススメ。
冷蔵庫の中まで見えてしまうサイドのカウンター席、調理場の美しさはもちろん、オーナーの仕事ぶりは、もはや脱帽もの。

流れるような動きは、串揚げだけにこだわり、何十年もこの仕事を続けてきたという証。

「以前は、全く違う仕事をしていたから、語るほどの事は・・・」と穏やかな口調で、自身の経歴を謙遜する。とはいうものの、串揚げ専門店として、17年以上ものキャリアを持つ。


関西出身のオーナーが、奥様の出身でもある鹿児島に移り住んだことをきっかけに開業。
「なぜ串揚げ屋を？」という問いに、
「関西にいるころ、20年以上ある串揚げ屋さんに通い続けたんですよ、好きだったんですよねそこの串揚げが」、と夫婦揃って笑顔で答える。

謙虚さと、生真面目さ、そしてなにより仕事への愛情が、鹿児島で串揚げと言えば「串吉」という不動の地位を築いているのかもしれない。