若鮎の塩焼きの盛り合わせ
みずみずしい葉は初夏を感じさせる。燻された鮎が瞬く間に香り立つ。
■新しい京料理への期待と自身のこれからの役割
歳月の流れを感じるようになりましたね。先日ある集いに参加した時、来場者の中で私が一番上の56歳、最高齢でしたからね(笑)。
もちろん経験はあるので、南京や芋を美味しく調理するというのは若い人には負けません。ただ一つ、「発想力」の点においてだけは、時代を感じずにはいられません。
ある方から「2000年代は、佐々木の時代。しかし大体流行は10年で終わりだというのに、ちょっと長すぎるぞ」と言われました(笑)私自身、京料理の枠を広げたいという想いを少しでも形にすることができたのではと思っています。
有難いことなのですが私としては、次世代の新しい京料理を広げてくれる人が現れることを願ってるんです。これから誰にも予想できない進化を、京料理で見せてくれることを期待しています。
私自身のこれからについてですが、京都の料理人の皆さんの接着剤になれたらと思っています。京都の三代目、四代目と昔から続く料理人たちと、私のように京都を出発点としていく料理人たち、様々な人達を繋いでいきたいです。京都の料理人さんたちのネットワークの架け橋として力になっていくことが僕の役目だと思ってます。そうして、発信力をもった若い人が京都の文化を継承していってくれることが願いですね。