「山口長男の世界」開催
山口長男(1902〜1983)は、韓国京城府(現在のソウル)に生まれました。東京美術学校で和田英作らに洋画を学んだ後、留学したパリでは佐伯祐三やオシップ・ザッキンの薫陶を受け、キュビスム風の絵画を制作します。帰国後は有島生馬の紹介で二科展に出品し、白を背景に形を単純化した、自由な配色の作品になります。第二次世界大戦前には具象的な要素が消え、そして戦後は黒を背景に赤茶色あるいは黄土色の限られた色数で、自然の写生を元にしながらその骨格をとらえた独自の抽象絵画を確立、サンパウロ・ビエンナーレやヴェネツィア・ビエンナーレに出品するなど、国内外で高い評価を得ました。
山口は、父親の出身地である鹿児島県川内市(現さつま川内市)を「私の町」と呼び、しばしば鹿児島を訪れています。当館には鹿児島ゆかりの作家である山口の作品を収蔵しており、油彩画や水彩・素描、彫刻、陶器の絵付けなど34点でその画業を垣間見ることができます。自由な色や形でユーモアを感じさせる初期の油彩画や水彩等、そして生まれ育った大陸のおおらかさや力強さ、魅力的な絵肌で色面の拡がりを見せる中・晩年の油彩画など、展示作品を通じて山口長男の世界をお楽しみください。
※ 入館料 一般 300 円、高大生 200 円、小中生 150 円(所蔵品展と共通)
年間パスポートでもご覧いただけます(一般600円、高大生400円、小中生300円)